#03 巣鴨の”自己中”オトコ

巣鴨のオトコは、少しだけ苦い思い出・・・。思い出すだけで、少し、胸が痛くなる。

このオトコとの出会いは、ちょうど出会い系サイトの「PCMAX(R18)」を始めてから1か月ほどたった頃。心の傷を癒したくて…埋めたくて…。ネットサーフィンならぬ、出会い系サイトサーフィンで適当なオトコを探していた頃…。

彼は、大学を卒業したばかりの23歳。北海道出身。大学時代から、激安ショップで購入したものに細工を加え、オークションなどで販売しているという。今は特別就職もしておらず、この販売だけでなんとか食べているといった状況だ。

プロフ写真には、少し遠目の…しかもぼやけた感じの写真が並ぶ。後から聞くと、外見にあまり自信がないからとのこと。

顔の見えないネット上の出会いをするためには、マイナスの発想。

出会いを求めている女は、自信がない男は嫌いだ。なぜかと言うと、オンナは皆、心のどこかで癒されたい、守ってもらいたいと思っているから…第一印象だけでも、素敵な男を演じてほしい。

巣鴨のオトコとは、正直どんなやり取りをしたかあまりよく覚えていない。記憶の片隅で、抹消しようとしているせいか、思い出そうとしても、思い出せない。

一つだけ深く刻まれている記憶…それは、彼が、突然に自分のモノの写真を送りつけてきたと言うこと。それだけは、鮮明に覚えている。

時は流れ、私は、池袋のとある場所にいた。

巣鴨のオトコと会うために、人で溢れかえったその場所にいた。

「池袋につきました」

メールを送ると、直ぐに電話の着信音が鳴る。

待ち合わせ場所に着くと、オトコは、直ぐに私の姿に気づいたようで、遠くから笑みを受かべながら近づいてくる。

若い・・・。

正直、一緒にいるだけで恥ずかしくなってしまうほど若い。そんな彼と目が合った瞬間、顔中に血液が流れ、赤くなっていく様子が自分でもよくわかった。

今日はこのオトコに抱かれるのか・・・戸惑いもあった。

軽く食事をして、ホテルに向かうと、さすがに週末の夜。どこのホテルも満室ばかり。

ようやく辿り着いた頃には、少し歩き疲れて足もパンパンにむくんでいた。

巣鴨のオトコは、とにかく変態である。若さゆえでもあるが、色んなプレイをしてみたいと、会う前からアピールが半端なく続く。

その変態ぶりがどれほどのものなのか、ついつい試してみたくて、今日はここにいるのだ。

すれ違う風俗嬢は、皆ひとりきりホテル内へと吸い込まれていく。

「私もこのオンナ達と同じなのだろうか・・・」

ふと、自分がこれからしようとしている事に不安がよぎる。いつもと変わりないよくあるホテル街なのに、今日だけは何故か違う景色を見ているようだ。

何故だろう…きっと気分がのっていないせいだ。このオトコと肌を重ねてたいと思っていないからだ。

オトコは、一分でも早く熱く硬くなったモノを密壺に挿入したくて多少の苛立ちを感じ始めている。急に私を抱き寄せると、建物の陰に隠れ、そのいやらしい舌先を唇にねじ込もうとしてきた。

「ここじゃ恥ずかしいから…待って。」・・・顔をそむける。

それでもオトコは執拗に抱き寄せ、肉付きの良いヒップを鷲掴みにしながら股間を押し付け顔を近づける。興奮を抑えきれない様子だ。

「やめてっ!!」

道行くカップルたちが振り返る。もう限界だった。

ーこのオトコにだけは抱かれたくないー

何故だろう・・・このオトコと会うために池袋に足を運び、オトコの肉棒に跨り絶頂に達しようと心躍らせてきたはずなのに…なぜだろう・・・このオトコに抱かれるのが心底嫌になった。

オトコの手を振り払うと、大きな瞳に涙を浮かべ彼の元を去った。最悪の瞬間だ。

出会い系サイトには、男女ともに色んな人種がいる。何万人と登録されているサイト上での出会いでは、想像すらしなかった事が起こることもある。セックスしたいからといっても、誰でも良いわけではない。

振り返れば、出会った当初から巣鴨のオトコは自分の欲求を満たすためだけに、大きくなったモノを突然に送り付けたりしてきた。顔の見えないネット上の出会い、それはとても単純そうに見える、いかにも合理的なシステムであるが、顔が見えない相手だからこそ、慎重に…丁寧にコミュニケーションをとらなければいけない。抱かれる相手は誰でもいいわけではないのだ。

誰でもいいから抱きたいのなら風俗にでも行けばいいのだ。

私は、そんなオトコには抱かれたくない。ほんの数時間だったとしても、そこには、お互いに満たされる思いを得られなければ意味がない。空しくなるだけ。

私はこの”ネットでの出会い”という行為は恐らくやめることはないだろう。セックスが好きで堪らない淫乱な雌猫である自分に正直に生きようと決めたから…。

サイトに戻れば、いくらでもオトコがいる。いやらしく、肌を重ね、欲を満たすための罠を仕掛けているオトコ達が何万人も存在している。オンナもそうだ。

見かけだけではわからない、秘めた部分に多くの淫乱さを持ち合わせているオンナも恐らくかなりの割合でいるだろう。よっぽど男よりもしたたかでいやらしい雌猫が…。

*   *   *   *   *

麻衣です。人妻です。

戸籍上は「人妻」ですが、先日のブログでもお伝えしたように、私は、本当に身体の相性の合う男性を求め、このサイト「PCMAX(R18) 」を使って全国のいやらしい男性達との逢瀬を楽しんでいます。

初めての出会い系サイト・・・。とってもハードルの高いものでしたが、今ではもう、このサイトなしでは生きられません。

1 個のコメント

  • 今回も読みごたえのある内容でした。

    そうですよね、ネットには良い出会いも苦い出会いもありますよね。
    ただ男の方も、その中でもこの女だって思う女性とお会いしたいし行為もしたいと思っているのです。
    しかしながらネットの中の女性は業者さんが多く、その中を掻い潜って理想の女性に巡り逢いたいと思って日々目を凝らしネットの中でアンテナを張っているのが現実です。

    まだまだ麻衣さんにはエピソードがありそうですね。楽しかった思い出も苦い思い出もさらけ出してくれると期待しております。

    次回のエピソードを楽しみにしております!

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